アフガニスタンで支援活動をしていたときの体験記です。
植木宏 Author:植木宏
1970年 福島県郡山市に生まれ。
2002年〜2004年の3年間、アフガニスタン難民支援活動の現地責任者として奔走。難民キャンプへの緊急支援物資配給、帰還難民への緊急支援、地雷除去活、地雷回避教育ノート配給、干ばつ地域への井戸掘り、学校建設、帰還難民の自立支援プロジェクトなど数々のプロジェクトに携わる。
 
現在、アフガニスタン支援を通して体験した話しを基に『僕が見てきた戦争とは?』『本当の支援とは?』『生きるとは!』などを中心に講演活動をおこなっている。
 
第94話 【最前線!!!】
2006-06-21 16:47
僕たちは「チャリカール」という町を目指し、ひたすら北へ走る。
この広大な茶色い渇ききった大地をひたすらに…
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驚くのはこの先の見えない道路を自転車で移動している人がいれば、家族で道路脇に座っている人たちがいる。

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周りには何も無いのに大丈夫だろうか?
この人たちはなんでこんなところにいるんだろう?
ちゃんと目的地着くのだろうか?
勝手な心配をしてしまう。




さらに進むとすごい光景が目に入ってきた。
破壊された家々、、、焼かれたような木々、、、破壊された戦車や装甲車。

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写真:茶色い大地に破壊された戦車


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写真:破壊された戦車


「なんだこれは!!!」と目を疑うような光景だった!


この光景がなんなのか、聞こうと思った瞬間、オバハンが口を開いた!

「ここがフロントライン!(最前線)戦場です!」と。



そしてアクバルが車を止め、いろいろと説明をしてくれた。

「ここはロシアと戦ったときの戦場でもあるし、タリバンとマスード将軍率いる北部同盟(反タリバン連合)が戦った場所でもあります!ここでものすごい戦いがあった!たくさんの人が死んだ!」と。

さらに「あっち(北)から北部同盟が首都カブールを目指し進軍してくる。そしてこっち(南)からタリバンの軍隊がやってきて、ここで戦った!何回も何回も!何年も戦った!だから見て!みんなボロボロ!家も畑もみんな!」と、アクバルは悲しそうな顔をしながら説明してくれた。

そして更に驚くことを聞いた!
「ここはものすごい緑の大地でした。スイカやブドウ、ハルブザ(ウォーターメロン)がいっぱい!小麦もたくさんたくさんあった!ここ全部が緑いっぱいだったって信じられないでしょう」と。

それは驚きだった。
だって目に入るもの全部が”焦げ茶”ばっかりだったから…

とても信じられるものではない。
だってどう例えていいかわからないくらいの大平原が緑いっぱいだったなんて、、、、



更にアクバルの話しは続く…
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第93話 【カーチェイス!!!】
2006-06-16 18:52
ベスート行きを断念した僕たちはすぐに頭を切り替えた。
とにかくあちこちから悲鳴が聞こえてくるからだ。

まずは現場に行かないことには始まらない…




僕たちは次の日、別の現場に向かった。
そこはカブールから北に100キロくらい行った場所で「鍛冶屋の町」チャリカールのちょっと北にあるアクバルの故郷だ。


北へ伸びた幹線道路をずっとひたすら車で走った!
めちゃめちゃ広大な真っ茶色な大地のど真ん中を。。。



真っ直ぐ伸びた2車線の道路をドライバーは「これがアフガンの男だ!」って言わんばかりに飛ばす!

遅い車はバンバン抜かすし、時々反対車線にはみ出しながら抜く!

対向車線にはみ出しても関係ない!
ギリギリまで迫ってから右車線に戻る。

なんと恐ろしい運転だ!
冷汗が出る…

もうチキンレースをしているようだ!
お互いに100キロくらいで迫ってくるんだぜ〜!
そしてギリギリで避ける!割り込む!

しかも、車は日本車で右ハンドル!
でも車線は右側通行!

ということは、トラックなどを抜くときは反対車線に大きくはみ出す!助手席に座ってた僕としては生きた心地がしない!

その繰り返し!
もう心臓に悪いなんてもんじゃない!


驚いている僕たちを見てドライバーは「どうだ!上手いだろう〜!」って言わんばかりの顔で僕たちを見る!

途中、トラックと正面衝突している車を見たが、壊れ方が半端じゃない!ベコッ!じゃないからね!大破だからね!大破!

確実に死んでるだろうね…


なんていうか、アフガン人って”豪快!”だわ!
何にでもね!話し方も、声も、仕草も、やる事も!!!!
チビチビ生きてないね!

彼らを見ると、日本人の僕たちっておとなしい…
悔しいくらい豪快な生き方に、本来の人間の生き様みたいなものを感じるから不思議だ!

広大な大地、めちゃめちゃデカイ山!、厳しい環境の中で生きている彼ら!こりゃ豪快になる環境が整ってるわ!

しかし不思議だね。
その国の人柄ってその土地、気候、環境と繋がっているような気がする。
アフガンの山を見ててもそうだけど、豪快で鋭い山々、そして岩が多い。実にアフガンらしい…


でも、もっと恐ろしい生き物がいた!

オバハンだ!


自慢げに”男の運転”をしているドライバーにペットボトルで一発ドカン!!!

大声で怒鳴りつけた!
「いいかげんにせい!!!人が乗っているときはゆっくり走りなさい!」と!

ドライバーの天狗のような鼻が折れた…。

恐るべしオバハン!

以後、オバハンが乗車しているときは人違いかと思うくらい安全運転になった。


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第92話 【引き返す…】
2006-04-04 13:15

村を去り、僕たちは車に戻った。

帰ろうとしたけど、一応本当に行き止まりでいけないのかを確認しに行った。

疑っている訳ではないんだけど確認が大事なんですね〜!
とにかく自分の目で確認する!という習慣をオバハンから学ぶ。

車で雪山を進む。
周りは本当に雪だらけだった。
アフガンにもちゃんと雪が降り、積もるんだね。
旱魃のイメージしかなかったから、不思議な感じだった。
”勝手なイメージ”も”先入観”や”思い込み”は駄目なんだね〜反省。

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写真:周りはほんと雪山。



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写真:どこまでいけるか?


途中までは行けたが、やっぱり駄目だった…
今度こそ本当に諦めて引き返した。

ん〜!すんなりといかないけど、しょうがない…



帰り道はまたデコボコ道!
砂ぼこりが舞い上がり、みんな頭から鼻の穴まで真っ白となる。

とにかく時間が長く感じる。
こんなに走ってたかな〜?と思うくらいうんざり。
行けども行けどもまだつかない!って思うくらいだ。


やっと舗装された道路に出た!
もうそれだけでも幸せを感じた。。。。

その一直線の道路をひたすら走る。
するとみんな安心したのか、ぐったりと寝ていた。

僕はどういう訳かそのときは寝れなかった。
周りの風景の凄さに圧倒され、ただただ感動していた。

とにかく広大だ!
山々は力強くそびえ立ち、大地は大きく僕たちを包む。
この雄大さはアフガン人そのもののように僕は感じたのであった…

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写真:とにかく広い!


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写真:のどかな農村

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第91話 【え!そうなの!】
2006-03-29 16:50

食事を終えた僕たちは、チャイ(グリーンティ)を頂きながら村長さんの話しを聞いていた。

でも、あまりにもいろいろと話してくれるのは嬉しいが、僕たちもそろそろベスートへ向かわないと、、、、

ということで、村長さんに「え〜村長さんの話しはとても面白くて、もっと聞きたいけど、そろそろ僕たち行かないと…」と伝えた。

村長さんは「おう!あなたがたはどこへ行くのか?」と聞くので「ベスートです」と答えた。

すると村長さん、「ベスートへは行けないよ」という。
「え?なんで〜?」と聞き返すと、「この村のちょっと先の道路が雪で埋もれているから車は通れない」と。

「え〜〜〜!そうなの〜〜〜〜!なんとか通れない?」と聞いても「ネイ!ネイ!(ダメ!ダメ!)」と笑って答えるだけだった。


そんな…せっかくここまで来たのに…

仕方なく今回は諦めて戻る事にした。



村長さんの家を出ると、子どもたちがたくさん待っていた。
同じ顔なのに言葉が違うことが楽しいのか、いろいろと話しかけてくる。やっぱり珍しいんだろうね。

「そして写真を撮ってあげるからここに並んで〜!」というと我先にと並ぶ!
カメラ自体珍しいので緊張していたようだった。
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写真:並ぶ子どもたち

最初は緊張してか、みんな真顔だった。
でも、デジカメなんで、プレビュー画面を見せる。
みんな”え?写ってるの?”ってな顔で見る。

そしてそこに自分の顔を発見すると、もう大喜び!
友達の顔を見つけると大笑い!
みんな俺にも見せて!俺にも!とカメラの取り合いとなる!

僕は思った。
これ使える!子どもたちや大人たちと和む方法が分かった!普通のカメラならこうはいかないけど、デジカメだとすぐに見せられる利点があり、みんなも喜ぶ!一瞬で和む方法を見つけた!やった〜!と。



喜んだ子どもたちはずっと追いかけてくる!

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写真:追いかけてくる子どもたち


村の出口までずっと!そしていつまでも手を振ってくれていた。
なんかほんと”純粋”を感じたような気がした。

僕たちも昔はそうだったんだけどな〜
どんなことも、何をしても楽しかったし笑えた。
どうして大人になるにつれてガードが強くなってくるんだろうな〜って思う…

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第90話 【ハザラ・ジャパン!】
2006-03-08 10:26
アフガンの現状に驚きながらゲスト用のお部屋に戻った。

そこの村長さんを囲み、いろんな話しを聞いた。
この村の戦争中のことや食料事情の事など初めて生の話しを聞いた。
どれも驚く内容ばかりだった。


特に印象に残ったのは「2〜3年前だったらあなた方日本人もハザラ人と間違えられて殺されていたかも知れない」というのだ…

そういえばハザラ人って日本人にそっくりだ!

ハザラ人の服装を借りたらほんと日本人か、ハザラ人かわからなくなる。

村長さんは笑いながら言う。
「そこの日本人はハザラ人そのものだ!あなたは間違えなく殺される」と!

そこにいた一同は思わず大爆笑してしまった。
ほんとハザラ人そのものなんだもの!!!

おまけに村長さんは「ハザラ・ジャパ〜ン!」と指さして笑う!

アクバルも、ファティマもドラバーたちも大笑い!
そこにいたみんなが大爆笑の渦となった☆

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写真:ハザラジャパン!

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写真:本物のハザラ人


みんな初めての地方というか、アフガンで緊張しっぱなしだったのが吹き飛んだ!

もっとシリアスな話し、生々しい話しがたくさんでるのかと思ってみんなあまり笑わないでいたし、不謹慎かと。。。

でも、そうでもないらしい。
どんなことも”会話”を楽しみ人を笑わす。

アクバルもそうだ。
辛い過去はたくさんあったと思う。
でも、そればかりではなく、笑い話のネタもコミュニケーションのネタもたくさん持っている。

ほんと面白い話しいっぱいある!その内書きますね。。。


そんな爆笑の中、村長さんは「食事でもしていきなさい」というので、遠慮なくご馳走になった。

はじめて地方に出かけ、そしてご馳走になった。
どんなものが出てくるのか楽しみだった。

出てきたのは、ナンとヨーグルトだった。
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写真:お食事

ナンって、場所によって、お店によって、作る人によって、民族によって違うんだね。形も味も大きさも違う。
ここで頂いたナンは硬かった。

そしてヨーグルトはすごくすっぱい!
アフガンのヨーグルトは初めて食べたけど、なんとも言えない味だった。
慣れるのに時間かかりそうな味だった…

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